Monday, February 12, 2007

ぬりえ

ぬりえが大人のあいだで流行っているそうだ。ほんとうだろうか?

今、ぬりえについての本の翻訳の仕事が入っているので、ぬりえをはじめて見つめることになって知ったことだが、癒しの効果などが期待されて大人の間でぬりえの本が売れているらしい。

私が訳している本は『ぬりえの心理』というタイトルで、とてもシンプルに書き上げられた、ぬりえの役割をごく身近な視点から分析した内容で、おもしろい。この本ではこどもを対象にしたぬりえの話をしている。

ぬりえはもちろん本来は子供の遊びのものだが、そういえばioにはぬりえをほとんど与えていなかったことに今さら気づいた。唯一、ぬりえで買ってあげたのは、これは多分大人向けに出版されたブ厚いマンダラのぬりえ本。とても細かいのだけど、きれいに塗っている。デザインの感覚や、色のセンスも養われるだろうと考えて買ったんだが、サイズが大きく、1枚を全部塗り上げるのに相当根気がいることに後から気づいた。6歳の子の気力には少々大きすぎだった。それでもioは何ページか塗り終わっているけれど。
自分も小さいとき、ほとんど与えられなかった。母はぬりえには否定的だった。クリエイティブじゃない、自分で絵を書いた方がいい、という考えだったらしい。でも、それは違うだろうと思う。いい絵なら色を塗ることによって色彩への親しみと理解も深まるし、絵をより深く体験できるだろう。無意識に、私もこの考え方を受け継いでいたため、ioにぬりえを与えること思いつかなかったんだろう。でも、いいぬりえがあまりない。あと、日本ではぬりえの本は女の子用・男の子用に対象がハッキリ分かれていて、この男女の差が気に入らないというのもある。

この本でも書かれているけれど、ぬりえが文化として定着して質のいいぬりえがもっと出てくるといいだろうと思う。ioがまだこどものうちに。

Thursday, February 01, 2007

訳詞としもやけ

変わった仕事が入って来た。
ある日本人のシンガーの友だちが、別の友だちに作詞を依頼。でも英語で歌いたいから、上がった日本語の訳詞を私に依頼してきた。

訳詞はよく受ける仕事なので それ自体は珍しくないが、曲もメロディも出来上がっていて、そのメロディに日本語から訳した英詞をぴったりはめ込まないといけない。この作業は、日本語の原詞に忠実にしようと思うととてつもなく大変なものだ。元の日本語の詞を書いた人は英語もよくできるんだが、それでも、例えば日本文をそのまま英文に翻訳した場合、通常は語数が増え、従って音節も多くなることを殆どの人は知らない。訳詞して、はめ込んで、字余りをどうするか何時間もかけてskypeで相談。1週間かけてようやく完成。次は、私が仮に英語でカラオケの上にお手本の歌を英語で入れて録音。歌う人が本番の録音までにそれを繰り返し聴いて、練習できるように。最後に、本番レコーディングに私も立ち会って、英詞のコーチングをして、発音を直したりする。これが昨夜終わった。

訳に3日間続けてかかった。その間、ほとんど畳の上でちゃぶ台のコンピュータに向って座りっぱなし。とても冷え症な私は、気がついたら足の指に感覚が無く、氷のように冷たくなっていた。霜焼けの1つ手前の状態:真っ赤に腫れ上がって痒くて痛いのに感覚がない。英語だとchilblainsという名前がちゃんとあるのに、日本語の訳語がない。ホメオパシーのマテリア・メディカにはちゃんと載ってた。